高校生がアプリ開発を始めるには、実は特別な環境や才能は必要ありません。この記事では、未経験の状態からアプリを企画し、App Storeに公開するまでの流れを、クリサク株式会社が実際にアプリを開発してきたプロセスに沿って解説します。

必要なもの

アプリ開発を始めるにあたって最低限必要なのは、次の2つです。

  • 開発用のパソコン(iOSアプリのビルドにはXcodeが必要なため、Macがあると望ましい)
  • 動作を確認するためのiPhone(シミュレータでも確認はできますが、実機があると使い勝手を判断しやすくなります)

加えて、作ったアプリをApp Storeで公開して誰でも使える状態にする場合は、Apple Developer Program への登録(年額の費用が必要)が必要になります。逆に、自分のiPhoneに入れて自分で使うだけであれば、この登録なしでも試せます。まずは登録せずに作ってみて、公開したい段階になってから登録を検討する、という進め方でも問題ありません。

これらが揃っていなくても、企画を考えるところまでは今日から始められます。

企画の立て方 —「あったらいいな」を言語化する

アプリ企画の出発点は、自分や身近な人が感じている小さな不便です。「もっとこうだったら楽なのに」という違和感をメモに残し、それを解決する機能をひとつだけ考えます。最初から多機能を狙うと開発が終わらなくなるため、最初のリリースでは機能をできるだけ絞り込むことが重要です。

なお、総合型選抜の実績づくりとしてアプリを作る場合は、出発点を変えたほうがうまくいきます。身近な不便から入るのではなく、「将来やりたいこと」を起点にテーマを選ぶという考え方です。将来関わりたい分野や解決したい課題から発想すると、そのアプリが志望理由書のストーリーとそのままつながります。詳しくは総合型選抜の「実績がない」を解決するで解説しています。

AIを使った開発 — 壁打ちから実装まで

クリサク株式会社では、アプリ開発を3つのステップで進めています。

STEP1 ひらめきを、AIと壁打ち

思いついたアイデアを、AIチャットに言葉で説明しながら整理します。画面構成や必要な機能を書き出し、実装に落とし込める粒度まで具体化していきます。ここで手を動かす前にどれだけ言語化できるかが、後の工程のスピードを左右します。

STEP2 小さくつくって、試す

いきなり完成形を目指さず、最小限のプロトタイプを作って実機で操作してみます。触ってみて初めて気づく使いづらさを、すぐに直しながら磨いていきます。

STEP3 App Storeへ、届ける

動作が安定したら、App Store Connect からアプリを提出します。審査を経てリリースされたあとも、使ってもらったフィードバックをもとに改善を続けます。

App Store審査を通過するために

Appleの審査では、アプリの説明と実際の挙動が一致しているか、クラッシュしないか、個人情報の取り扱いが適切かなどが確認されます。審査に落ちても再提出は可能なため、指摘内容を確認して修正すれば問題ありません。落ちることを前提に、余裕を持ったスケジュールを組んでおくと安心です。

入試実績への活かし方

総合型選抜の志望理由書や活動報告書では、アプリ開発の過程そのものが「課題発見 → 行動 → 振り返り」の実績として書けます。特に、なぜそのアプリを作ろうと思ったのか(きっかけ)と、開発中にどんな壁にぶつかり、どう乗り越えたかを具体的に書けると説得力が増します。実績づくり全体の考え方は総合型選抜の「実績がない」を解決する記事でも解説しています。クリサク塾では、この一連のプロセスを高校生と一緒に伴走しながら進めています。

まとめ

アプリ開発は、パソコンとiPhone、そして小さなアイデアがあれば始められます。AIを壁打ち相手にしながら企画を具体化し、小さく作って試し、App Storeへ届ける。総合型選抜の実績として使うなら、テーマを将来やりたいことから選び、公開後も広めて改善を続けるところまでを含めて取り組むと、一本のストーリーとして語れるようになります。